NO12-神社の女
これは私の後輩から聞いた話です。
後輩Kは夜の10時頃、用事先から自転車で帰宅する途中でした。 時間が時間だったので、早く帰ろうと近道である神社の前を通ることにしたのです。
普段から人気の無いこの神社は昼間でも陰鬱としていて、 Kもかなり気味が悪いと思っていたそうです。 それでも早く帰りたい一心であまり気にしないように急ぎました。
すると突然目の前にいきなり人影が現れ、Kの前を横切ろうとしたのです。 驚いたKは慌ててハンドルをきって横にそれました。 おかげで転倒し、Kは自転車から転げ落ちました。 幸いKにはケガはなかったので、横切った人には怪我が無かっただろうかと後ろを振り向きました。 其処には髪の長い、全身が青白い女性が立っていたのです。 女性は数歩歩くとフッとその場で消えてしまいました。 恐ろしくなったKは一目散に家に帰ったそうです。
今でもKはあの神社は恐ろしくて近寄れないと言っていました。