怪人マガスカスアリモート観察日記



■8月25日 朝の8時36分 晴れ

怪人マガスカスアリモートは伝説のどおり、朝は4本足でした。毛の色が、赤、青、黄色の三色がヘンなぐわいで、気持ち悪いです。エサは、ケーキを食べました。

きゅーきゅー鳴いてます。

走ってもらうと、時速153キロメートルで走りました。チーターより早いんです。びっくりししました。 地球上で一番はやい動物かも?

昼に、伝説どおり、2本足になるか心配です。


■8月25日 昼の12時22分 晴れ

居間でご飯を食べていると、もきゃもきゃとヘンな声がきこえてきました。監禁部屋に行ってみると、怪人マガスカスアリモートが2本足の姿になっていました。

伝説のどおりです!

だけど、2本足になっていくところを見られませんでした。残念です。次はぜったい、見ようと思います。

2本足のマガスカスアリモートはお腹がぐるぐる回ってました。ずっと、回ってます。これが何かはわかりませんでした。

ヘンな形になっちゃたので、走りは遅かったです。けど、頭がよくなったみたいです。

「障子の黄ばみには、大根のおろし汁をつかえ」

「お米のとぎ汁を使って、洗顔すると、しっとりとしたお肌に」

「漫画『北斗の拳』の第一話には幼女リンのパンチラが描かれたシーンが2つもある」

なーてことを言ってました。


■8月25日 夜の11時09分 晴れ

次の3本足になるところ見たいので、今回は、じっと見てました。

ぜんぜん、変化がありません。もう、眠くなってダメって、思ったとき、変化がありました。

めきめきって、凄い音がしたんです。

2本足のマガスカスアリモートの骨が折れている音みたいです。とても嫌な音です。そして、身体中に、血管がうかびました。

もう、私、気持ち悪くって見てられませんでした。でも、ぜったい、変身するところ見ようと思っていたので、がんばって、見ました。

それから、2本足のマガスカスアリモートは身体が小さくなって、

「コギト・エルゴ・スム !!」

と叫ぶと、3本足のマガスカスアリモートへ変身しました。

後で、マイコお姉ちゃんに、コギト・エルゴ・スム って、どういう意味と聞いたら、『我思うが故に我有り』という意味だって、教えてくれました。

意味をきいても、意味がわかりません。

それで、3本足のマガスカスアリモートは天井や壁にはりつくことができました。

火もふけました。ぴかちゅーみたいに電撃もだせます。

頭もいいし、かなり、凄いです!!

感動しちゃいました。


■8月25日 夜の11時13分 晴れ

大変です!

3本足のマガスカスアリモートの身体が小さくなってしまいました。ノミみたいに小さいんです。

伝説では、「朝は4本足、昼は2本足、夜は3本足」ですから、伝説以外のことが起こってます。

どうしようと思っていたら、マイコお姉ちゃんが、

「薬の副作用かな〜ぁ。風邪薬を飲むと眠くなるようなものだね〜ぇ」

と言ってました。

そうか! 眠くなっただけなんだ!

安心しました。

小さくなったマガスカスアリモートは可愛かったです。


■8月25日 夜の11時27分 血祭り

えーん! えーん!

悲しいことが起きました!!

私、泣いちゃいました。

もう寝なさいと、ランカお姉ちゃんが来たんです。

そのとき、ランカお姉ちゃんが踏んじゃったんです。
マガスカスアリモートを!!!

もう、ランカお姉ちゃんのバカ!!

でも、こんな小さいので、ランカお姉ちゃんが踏んじゃったのも仕方がありませんし、命というものはいつか死ぬものです。

ランカお姉ちゃんと一緒に、マガスカスアリモートを金魚の墓の隣に埋めてあげることにしました。

今日のマガスカスアリモートとの思い出は一生忘れないつもりです。

マガスカスアリモートを観察していて、私は生命のしんぴを知ることができたと思います。

ほんと、いい思い出になりました。

これで、怪人マガスカスアリモートの観察日記は終わりです。


■先生からほのかさんへ

いい思い出ができたようですね。醜い生物を大変よく観察したと思います。そして、生命の大切を知ったことも良かったです。その気持ちをいつまでも忘れないでくださいね。


以上、ほのかちゃんの夏休みの宿題より

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