私、今までそんなこと気にしていなかったんですが、どうやら中学のときに頻繁に金縛りに遭っていたようなんです。
何で気にしていなかったかって云うと、金縛り=体の疲れ、と思っていたんです。
大概の金縛りってそうじゃないですか。
それで、私ずっとそうだと思ってたんです。
で、どうして今更こんな話をするかって云うと、映画の「the RING」が上映されたのに感化されて、うちのクラスで怖い話しが流行りだしたんです。
それで、まあ金縛りには違いないってんで、私調子に乗って話したんです。
「あっしも、中学のとき金縛りに遭ったよ〜。しかも決まって丑三つ時で、なんか耳鳴りと一緒に金縛りの固まりみたいのがぶつかってくるみたいで…。」
確かに、あの頃は耳鳴りが凄くって、金縛りなんかよりも耳鳴りの方が怖かったような気がします。
一度、後輩から借りた「王○の紋章」を読みつづけて(一度に全部借りたので)興奮して寝られなくなった時もそれが来ました。しかも丑三つ時。その時、耳鳴りで頭ガンガン揺らしながら、それでも漫画を手放さなかった記憶があります。ろくでなし。
と、其処まで話していた所、後ろから友達が
「耳鳴りってまずいんじゃない?」
第一、今から考えても普通におかしい体験をしているのです。それなのにどうして私はその事に気付かなかったのでしょう。毎日毎日、丑三つ時。しかも耳鳴りと共に現れる金縛り。
そのうえ、どうやら私はその事を楽しんでいた風がある。
そのときはなんて恐ろしい中学生なんだと思いました。
ところが、そんな話をしていたからなのでしょうか。つい先日、床に入った私の体にあの時と同じ現象が現れたのです。耳鳴りに身を沈めながら、またしても楽しんでいる自分に少し嫌気が差しました。
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