これは、私が6年生の時の話です。
私は学校に向かう道を、歩いていました。
でも、その日は眠く、ぼーっとしながら登校していました。
そして、知らぬ間に、白線からでていました。そのときです。
「そこからでるな・・・」
というおばあさんの声が、はっきり後ろから聞こえたのです。
私は、まわりをきょろきょろ見つつも、その声のとおりに、白線の中に入りました。
その直後でした。
後ろから、白いワゴンがやってきて、さっきまで私がいたところを猛スピードで通っていきました。
私はびっくりして、動けませんでした。
しかし、まだそれだけではなかったのです。
その白いワゴンは、私の横を通り過ぎた後、霧のように消えてしまったのです。
私は怖くて、その場から逃げ出しました。
きっと、あのおばあさんの声は、私を助けてくれたのだと思います。
そうでなければ、私はいまごろ、ここにいなかったかもしれません。
ただ、あの白いワゴンは、未だ、謎に包まれたままです。
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