これは、村沢村(ムラサワムラ)の話です。
イトコのお姉ちゃんはお婆ちゃんに殺されました。
私の名前はムルミです。
私には、ミムラお婆ちゃんがいます。
今、病気で入院しています。
私達、家族、親戚などミムラお婆ちゃんを嫌っていてお見舞いの1つも行った事はありません。 村沢村では「ミムラ」という言葉は「人呪い」という意味で、それをわかっていながら「ミムラ」という名前を付けたミムラお婆ちゃんのお母さんと娘のミムラお婆ちゃんを嫌っていたのです。
プルルルルルルルルル
電話がかかってきました。 電話にでたお母さんは「ちっ」と舌打ちをし、荷造りし始めました。
「お母さあーん。どこへ行くの?」
私が聞くと、
「まだ死んでなかったミムラババアが危篤なんだとよ!」
いつもやさしいお母さんの顔は鬼のようでした。
病院へ行くと、お婆ちゃんは「うっ、うっ。」とうなっています。
みんな悲しまず、ひそひそ話をしています。
ミムラお婆ちゃん夫のミノお爺ちゃんは、
「ミムラと無理矢理結婚して・・・やっとこいつも死ぬの・・・」
と笑っています。
私と同じミムラお婆ちゃんの孫のアカネお姉ちゃんも
「これで「ミムラ」の孫という理由で笑われることもなくなるわ。」
とつぶやいていました。
苦しんでいるミムラお婆ちゃんを見ておどおどと悲しむ表情をしているのは私だけでした。
ミムラお婆ちゃんはカッと目を開き、アカネお姉ちゃんと私を見ました。
「アガネぇ・・・ムルミぃ・・・・」
私達の名前を言いました。
「汚らわしいわね!」と嫌がるアカネお姉ちゃんと、「なあにっ!!お婆ちゃん!!」と駆け寄る私は対象的でした。
「アガネもあだじのようになっでみるがね・・・?」
アカネお姉ちゃんは「えっ」と驚きました。
次の瞬間アカネお姉ちゃんは倒れました。
「アカネお姉ちゃん大丈夫?」
駆け寄った私にアカネお姉ちゃんは、
「アガネお姉ぢゃんがあ・・・ムルミぃあだじが誰だがわがるがねえ」
ミムラお婆ちゃんでした。
「ムルミばいいやづだっだで。笑っだアガネば死なあいいんだあよ」
ミムラお婆ちゃんのほうを見ました。
「ムルミ・・・助けてえ・・・助けてえ・・・」
アカネお姉ちゃんとミムラお婆ちゃんは入れ替わっていました。
戻ってと頼んでもミムラお婆ちゃんは元に戻りませんでした。
そのままミムラお婆ちゃんの姿のアカネお姉ちゃんは死んでしまいました。
そして、今私のアカネお姉ちゃんと呼ばれるミムラお婆ちゃんは、私以外の一族の者を殺そうと企んでいます。
その話を知っているのは・・・私だけ・・・。
しかし、村沢村というのは架空の村と呼ばれ本当にあるのかと言われています。
ですが、村沢村に本当に生きたい人は、霧深い竹林を1人で1本のろうそくを素手で持ち歩いてください。
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