NO6-濡れた手

ず〜っと前の話なんですけど、確か日曜日だったと思います。その日、父上や母上は仕事で兄や姉は遊びに行っていました。家に居たのは僕だけでした。だけど、家の中をなんだか歩く音がするんです。

気のせいかな?と不安に思いながら、僕はベッドの上にいました。

すると、足音が近づいてきます。僕は怖いこともあって、振り返ることができず、壁の方を見ていました。そして、近づいてきたなにかは、僕の背中に、その両手を「びちゃっ!」とつけました。両手の感覚はなんだか生ぬるくて、ぬるぬるしています。

僕は「誰か帰ってきたのかなぁ・・・?」と思って、そのまま寝たふりをしていました。僕は、怖いこともあってかそれが何かは確かめられなかったです。どうも人の手にしては指が変な感じでもあったのです。それに、誰か帰ってきていれば、玄関に入ってきた時点で気づくはずですし……

その手は背中から離れると部屋を出て行きました。それから僕は起きて、家の中を調べましたが、家には誰もいません。

今、思えばあれは誰ってゆーか何だったのか、確かめておけばよかったな、と今では思います。


追記。他にもこの濡れた手で背中を触られた人の話あって、その日、近くの川で溺れた人がいたといういうのです。もしかしたら、あれは……。

投稿者 オペラさん 性別: 男 年齢: 13 人種: 霊感の強い人間

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