NO8-父に憑く者は・・・

オイラが大学生の時の体験談です・・・

ある日、父上が仕事から帰ってくるなり、「嫌なもの見ちまったよ〜」と言った。

オイラの父上は運送業に勤めている (トラックの運ちゃん)のだが、得意先へ配達した帰りの高速道路で事故現場に遭遇してしまったのだそうだ。

まだ救急車もパトカーも到着していない、まさに事故が起こった直後に通りかかったらしく、ぶつかってひしゃげた数台の車と 転がっているバイク。

そして・・・血だらけで転がっているバイクの運転手らしき人が・・・

「あっちゃぁ〜・・あの人もうだめだなぁ・・ かわいそうに・・」と父は思った。

話をしながら父はいつも以上のペースで、ビールをがぶがぶと飲んでいた。
「ちょっと飲むペース速いんじゃない?」
と母上が言うと、
「なんだかのどが渇くんだよ・・・」
と首をかしげながらも飲みつづける父・・・

なんか妙な違和感をオイラは感じていたのだが、それがなぜなのかわからなかった。

それから約1週間・・・

父はやたらと疲れるらしく、いつも辛そうに帰ってきた。
ここのところずっと寝苦しくて、やたらとのどが渇くらしい・・・と母は心配そうにオイラに教えてくれた。 なんだか嫌な感じは確かに家族全員感じていたのだが、それがなんなのか?

その夜理由が分かった・・・
父上が寝ている時・・・
息苦しくて目を覚ましたときに・・・

見てしまった。

血だらけのツナギを着た男性の姿を!

それは、1週間前に事故現場で見た男性だったらしい。 
それを聞いた母上は知り合いの修験者の人に電話で相談をしたら、
「すぐこっちに旦那さんと来るように!」
との事だったので、父上は休みをとってすぐその人の元へ母上と一緒に向かった。

その修験者・Tさんは、
「事故現場でその男性を見たんですよね?」
と会うなり、父に聞いてきた。

「ええ、かわいそうだなぁとその時思ったんです」
と父が答えると、

「それが原因ね。その時、彼(バイクの運転者)はあなたを見たんだって。
  同情してくれたんで助けてくれると思ったそうよ。」
「見えるんですか?彼が・・・」
「ええ、あなたにおぶさるようにいますよ。・・・のどがやたら渇くのも彼のせい」
とTさんはサラリと言ったそうです。

「このままじゃまずいから、彼を説得して、外してあげますね」
といってお払いをしてくれました。
(その瞬間、なんだか体が軽くなったそうです。)
みなさんも事故現場に遭遇した時は気をつけてください・・・

投稿者 まんじゅさん 性別: 男 年齢: 30 人種: ゲーム狂

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